2008-2009★巖谷國士ゼミナール報告

ごぶさたしました。久しぶりにゼミの報告をします。

2008年度の4年ゼミは活発でした。前年度のおわりに3年ゼミのうちに海外ゼミ合宿をし、プラハからドレスデンへ、マイセンへ、ベルリンへ、パリへと いう発見と冒険の旅を実現していたこともあってか、4年ゼミのメンバーは積極的で自由で、発表も講義もスムーズに進みました。ゼミで扱ったテーマは、だいたい以下のとおりです。

 

・「写真とシュルレアリスム」展

・シュヴァンクマイエルのアニメーション映画

・オブジェとは何か

・マン・レイとそのモード写真

・5月軽井沢合宿/マン・レイ展

・唐組の紅テント劇『夕坂童子』

・タルコフスキーの映画『ノスタルジア』『惑星ソラリス』『イワンの少年時代』

・ユイスマンスの小説『さかしま』

・コレクションとは何か

・映画『悪魔の発明』『デカローグ第10話』『家族の肖像』『ホフマン物語第1幕』など

・アンティエ・グメルス展「ひ・か・り」

・桑原弘明スコープ展

・石とその生命

・12月軽井沢合宿/卒論指導

・卒論提出後のいくつかの会

 

3年ゼミではランボーの詩作品を数多く読み、途中からは「幼年期」をテーマにしました。ゼミのあとの映画もそのテーマにそって、少年や少女を主人公とする数多くのすぐれた作品を見ました。

 

軽井沢合宿では、6月に絵本の森とエルツ玩具博物館を、10月にはメルシアン美術館でル・コルビュジエ展を見ました。その他の展覧会やイヴェントへの参加については4年ゼミや大学院ゼミと同様です。

 

大学院ゼミでは、東京都写真美術館での4回におよぶ講演「写真とシュルレアリスム」を出発点に、おもに写真をテーマとし、アジェ、ブロスフェルト、エリ・ロタール、アンバレス・ブラボ、ブニュエルなどを研究したほか、ベンヤミンの写真論、トロツキーとブルトンの宣言、ブルトンのメキシコ回想などのテクストを原文で読みました。

 

大学院の修士と博士ゼミには、4年ゼミ・3年ゼミのメンバーをはじめ、ゼミ卒業生や他大学の学生・院生、プロのアーティストや研究者、教育者や学芸員や 編集者、さらに読者などもよく参加していたので、4つのゼミは本年度も一体化していただけでなく、外の世界にひらかれていたともいえるでしょう。

さらに4年ゼミの在籍者のうち5人、外からの参加者のうち3人、つまり計8人が大学院を受験して合格するというめったにないことがあったので、これからの2009年度ゼミはいっそう活発化し、いわゆるゼミならぬ「ぜみ」(?)の様相をとるものと思われます。

 

以下に、4名による2008年度ゼミの感想とを掲げておきます。これらは年度末に提出されたレポートのうち、4年ゼミで何をおこなったかがわかる明快な文章を選びました。この場をかりて、4名の執筆者のみなさんに御礼を申しあげます。

 

柳田雅世
柳田雅世
NB
NB
上村遥子
上村遥子
藤川すみれ
藤川すみれ