10月13日の★講演「港区の文化と環境」のご報告!

東京は、七つの丘つまり「台地」をもった起伏の多い地形であり、

その山・谷から、川が流れて海へそそぐ、さまざまな地層の重なるところなのですね。

 

そんな複雑な地形からうまれた歴史と文化に育まれてきた「港区」をテーマにした講演。

★先生の言葉は、私たちのすでに忘れられた「土地の記憶」を呼びさましてくれます。

 

 

「東京の7つの丘」と★先生が呼ぶ東京の台地の地形図や、高輪地区・麻布地区の江戸時代から現代までの地図を見くらべ見くらべ、無数の坂と階段による複雑 怪奇な地形、縄文時代からの歴史、山と川と谷と海の世界、その環境がわれわれの生活や文化に及ぼした影響などについて★先生が語られます。

特に今回は古川をはじめとする川と橋の世界についてお話が展開し、あの土方巽さんも登場!

19歳で秋田から上京した土方さんは、なんと高輪の正源寺にもぐりこんで暮らし、その後、古川橋の木賃宿に住みながら踊っていたそうです!

寺の多い港区、麻布は善福寺の門前町でしたが、善福寺がアメリカ公使館に使われるなどして外国人や教会も多く、キリスト教世界もあるそうです。

 

東洋英和の女学生たちの運動でつくられた孤女院(女の子を集めた孤児院)にある、『赤い靴』に歌われるキミちゃんの像。『赤い靴』の、

 異人さんに連れられていっちゃった 

 いまごろは青い目になっちゃって 

 異人さんの国にいるんだろう 

とある種シュルレアリスムを感じる歌詞。

 

作詞した野口雨情の社会主義者としての北海道での開拓運動や、そこで野口雨情が出会ったキミちゃんの義理父のお話、異人さんの国にいったはずのキミちゃん が麻布の孤女院で9歳で亡くなり鳥居坂の墓地にお墓があること、キミちゃんの母はキミちゃんの死を知らず生涯異人さんの国にいったと信じていたこと……  衝撃でした。涙。涙。

港区を、川や寺や女学校や教会で考える★アプローチ、目からウロコでした。

観客の麻布マダムたちの反応もすごかったです!

★先生、もろもろ大変お世話になっております高輪区民センターのヒシキさま、すばらしい企画を本当にありがとうございます!

(okj)