巖谷國士講演★「花と樹の話」@robinier

本日、吉祥寺のロビニエにて★先生の「花と樹の話」をめぐる講演がありました。

店主談

「ロビニエというのは、ニセアカシア(ハリエンジュ)の樹のことです。パリ植樹の歴史で最も老齢と言われています。ちょうど、ロビニエの花が甘く咲きはじめる4月の末に、★先生に植物、博物の話をしていただけることになりました」


ロビニエの由来をめぐってパリからはじまったお話は、★先生ご自身の植物誌から地球の植物誌へと、時空を旅することとなり、そのなかで★先生がわれわれをとりまく色の秘密を明かしてくださるという感動的なものでした。

★少年がかずかず植えたオブジェのような球根からアネモネの花が咲くとき、台風でたおれたコスモスがやがてまた上をむいて大輪の花を咲かせるとき、胸がしめつけられそうになるわたしたち。木や花を擬人化せずにはいられず、そもそもこちらだって「人間みたいなもの」なわけであって、たがいに愛しあえるといううれしさ!

 

先生は、世界が滅びては再生し、変化していくものだということを植物から教わったとおっしゃいます。色というものも、具体物として植物から教わったとも。 137億年前のビックバン、46億年前の地球誕生までさかのぼり、植物の起こしてきた革命(恐竜を放逐することも!)の歴史が語られる過程は息をのむような展開!

なかでも色について、具体物へのアナロジーとしての色にくわえ、日本人の持つ基本的な4つの色彩感覚まで、語源からくわしく話してくださったのには会場中から「目からウロコ」の驚きの声があがりました。あお(青)は、あわくぼんやりと、いろんなものが偶然であうような、世界をおおう色……つまり森でもあったのです!

 

イスラム世界でももっとも大切にされている青、「ギルガメシュ叙事詩」から森を失ってきた人間の歴史は、現代の原発まで見とおされます。花もメルヘンのように、失われたものを記憶している……一輪の花を持ち帰ることが、森のきっかけになればいい……という★先生のことばが、宝物のようにここロビニエに響きました。

 

 なぜ植物になつかしさを感じるか、なぜ花を美しいと思うか、本能と人類の歴史から知ることになりました。ご講演後も、夏みかん茶や巨峰茶、イランのバクラヴァなど森につながるお茶やお菓子をいただきながら話はつきることなく……こんなに植物愛にみちた時間・空間があらわれることになるとは!★先生、ロビニエのみなさま、本当にありがとうございました!今後もモン・アナログの一拠点になりますね~!(okj)