巖谷國士★特別講演「花と樹のメルヘン」@ロビニエ◇花のギャラリー


2月16日(日)、第3回★巖谷先生特別講演が吉祥寺の花店、ロビニエ◇花のギャラリーにて開催されました。

タイトルは、ロビニエの植物誌ⅲ「花と樹のメルヘン」。

 

わたしたちのまわりにお話の芽がつぎつぎと生まれて、空気がたちまち森や土の色を帯びてくるような、貴重な体験となりました。植物の見え方がかわってゆくということは、生活や生き方にも関わる重大なことですね。


紀元前3000年のギルガメシュ叙事詩、大地の神様キュベレー(シベール)のお話から、ラプンツェル、ドレの描く『赤ずきんちゃん』、チェコアニメーションの勇ましいサンドリヨン、森のない国デンマークのアンデルセンによる哀しい『モミの木』、石っこだった宮澤賢治の世界、錬金術の話まで、時空の旅をしているような、あっという間の時間でした。


メルヘンでは「いい人」、「わるい人」がはっきりしているのは、なぜかというお話がありました。それは、自然の流れをよめるかどうかで決まってくるというのです。メルヘンのいい人は可愛くて、自然を恐れず、森のなかにある苔やバクテリアのようにいつもただそこにあって、自然と共生してゆける存在としてあります。おとぎ話には、森の記憶がたくさんつまっていて、教わることが多くてクラクラしてきます。

知ろうとすればするほど、植物の迫力と美しさをに圧倒されます。こんなにも身近なのに、植物は本当に偉大な先生です。


参加者のなかには雪のなか、海外からも、院入試を控えた方も。

連続講演ということですので、次回の開催も待ち遠しいですね。

4月の後半には植物にまつわる、巖谷先生の新しい本も出版されます。

たのしみです。