巖谷國士★講演「旅への誘い〜文学・美術・自然〜」@柏崎市文化会館

柏崎での★先生の講演をめあてに、モンアナログ的旅(を愛)する人々が知らず集まり、今回もそれぞれが、游文舎主催のもりだくさんの柏崎と春の日本海を満喫してきましたよ〜。
おそらく集まった人たちの訪ねたさきざき、見てきたものいろいろを集めただけで、柏崎ガイドブックが1冊できてしまうほどでしょう!

米山さん(山)と日本海のあいだにぽっかり生まれた文化(あらゆるものを愛で、集め、酔い痴れ、娯しんだ)が、これからもますます熟成され、受け継がれてゆきますように!

柏崎に到着してから2日間(前日入りしたのです!)、★先生が指さす先に見た(見せていただけた)もの数かぎりなく……
飯塚邸の庭園にいまものこる、地震にも落雷にもひるまぬ異形の植物、鉱物たち。市立博物館にあるナウマン象の化石や縄文土器、「一遍上人絵詞伝」と新天地を求めて大陸へと旅だった柏崎の満州移民の足跡と運命、木喰像たち。図書館の保管する新潟の町や雪山や駅や海、村や田畑や油田の映しだされた古絵葉書コレクション、などなど。
旅人たちのコレクションをひとつずつ結んでゆくだけでも、柏崎の今と昔を旅した気分になります。いま眼のまえに広がる森や米山、日本海に浮かぶ蜃気楼のような刈羽原発もまた、柏崎なのでした。

そして講演で柏崎こそは旅にかかわる〜というのも、旅する★先生の視点から眺めると、めくるめくものでした!  

縄文人のはるかな「交易」「探索」〜中世の一遍上人の踊り念仏とアンギン(縄文編みの衣)をまといながらの「遊行」〜近世の芭蕉の「漂泊」〜などを経て、ゴーギャンのタイトル「われわれはどこから来たのか、何者なのか、どこへ行くのか?」が講演の最中、つねに鳴り響いているようでした。そして旅としての人類史へとつづき……。

お土産にした柏崎銘菓「越の荒海」をかじりながら、ネーミングとはうらはらなその柔らかな味と食感に感心しつつ、柏崎での時間を思い出しています。今回も素晴らしい★旅と講演をありがとうございました!
 
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