巖谷國士★講演「澁澤龍彥 文学の旅」@世田谷文学館

澁澤さんの生涯を通じて、その作品と人格の変化、円環、類推、伏線、呼応を語っていく★先生。年少の友人として生涯にわたって付きあい、澁澤さんが亡くなってからもその作品と付きあい、書きつづけてきた★先生にしか語りえない今日のご講演は、まさに入れ子の宇宙のようで、かなしくせつなく、鋭く、本当に感動的でした。
 

亡くなるまで高丘親王航海記を書きすすめる様子、それ以前の作品からもつきまとう珠・玉・丸・円・空洞の芯。遊ぶインファンティリズム。観念からオブジェへの変化。記憶のプール、アンソロジーとしての自我を持つ澁澤さん。東洋も西洋も区別せず類推し、過去はやがて戻ってくる。彼のアナクロニズムとモダン。ときに鏡のように自分が二人になって、それぞれを客観視する。
書くことについて自分を追いつめ、「小説」へと向かう堀内誠一さんとの手紙のやりとり。澁澤さんの病気と、高岡親王と、「類推の山」との呼応。

 

まだまだ書ききれませんが、澁澤さん独特の字体を示しながら★先生が私たちの眼前に広げてくださった世界は、はてしなく円環する話中話のように、私たちをつつみこみました。この続き、詳細は、ついに刊行された澁澤龍彥論コレクションⅠ・Ⅱ「澁澤龍彥考 略伝と回想」「澁澤龍彥の時空 エロティシズムと旅」をにてご覧ください!扉の★先生の写真も必見です。(okj)